安田倉庫グループは、創立以来、倉庫業を中核として物流事業を首都圏から全国に展開し、さらにアジアを中心に海外へとネットワークを拡げてまいりました。また早くから不動産事業にも力を入れ、両事業の活動を通じ社会の豊かさと夢の実現に努めてまいりました。
2019年12月に創立100周年の節目を迎えた当社グループは、2030年のあるべき姿としての「長期ビジョン2030」を策定しました。本ビジョンでは「世界に誇れるYASDAブランドと革新的テクノロジーの融合で全てのステークホルダーの期待を超える企業グループを目指す」をテーマとして、次の100年の成長に向けた事業体制の構築とさらなる成長の実現に取り組んでまいります。
北陸へ輸送ネットワークを拡大
当社グループは、北陸3県を基盤としたネットワークを有する大西運輸株式会社とオオニシ機工株式会社(いずれも石川県金沢市)の全株式を取得し、グループ化しました。医薬品メーカーの多い北陸を拠点化することができ、サービスの拡大や配送の効率化といったシナジー効果が期待されます。すでに、当社グループの安田運輸株式会社との協働がスタートし、関西⇔北陸、 関東⇔北陸間で医薬品等の配送業務が行われています。当社グループは一体となって、倉庫・輸配送ネットワークの全国展開に向けた取り組みを強化してまいります。
メディカル物流サービスのさらなる拡大
付加価値の高いロジスティクスサービスの提供に強みを有する当社グループは、メディカル物流サービスのさらなる拡大を推し進めています。メディカル物流拠点を拡充するとともに、物流事業者として初めて医療機器修理業許可の全区分を取得し、「医療機器総合ワンストップサービス」の提供を実現しました。
拠点の拡充については、2020年8月より本格運用を開始した安田倉庫東京メディカルロジスティクスセンター(東雲営業所、東京都江東区)に続き、東京メディカルロジスティクスセンターⅡとして、東雲営業所辰巳倉庫(東京都江東区)を同年12月に開設する予定です。さらに、医療施設オンサイト修理対応に高い実績を持つ、OKIグループのOKIクロステック株式会社(東京都中央区)と業務提携を行い、倉庫・物流機能に加えて医療機器の検査・点検・検品・薬事ラベル添付業務、洗浄・廃棄、修理、コールセンター業務、オンライン遠隔監視サービス、AI予兆診断による故障予測適時保守などを行うワンストップサービスの提供を開始しました。メディカル関連企業の経営効率を高めるとともに、多忙な医療従事者の業務負荷を軽減し、災害やパンデミックなどの緊急時にも医療業務に集中できる環境整備を支援してまいります。
ESGの取り組み
「長期ビジョン2030」において、全てのステークホルダーの期待を超える企業グループを目指す当社グループは、ESGへの取り組みにも注力しています。
一例として、E(環境)については、神奈川県から福岡県までの在庫移動に海上輸送を利用し、CO2の削減に貢献したとして、エコシップマークの優良事業者に認定されました。また、ホワイト物流推進運動に参加し、モーダルシフトなど効率的なサプライチェーンの構築によって、持続可能な物流の実現を目指しています。S(社会)については、新型コロナウイルスの全世界的な感染拡大に伴いマスクが入手困難となった際に、自社倉庫作業員のため用意していたマスクの一部を、当社倉庫拠点のある上海の現地中学校へ寄付しました。G(企業統治)については、直近で、指名・報酬諮問委員会の設置、執行役員制度の導入、株式報酬制度の導入などガバナンス体制の強化を図っており、今後もその強化に努めてまいります。