ニップンは、今年で創業124年となりますが、現在でも創業時のベンチャー・スピリットである「時代の変化に対応して、技術革新を採り入れ、新事業の企業化に挑戦する」をモットーに、優れた商品とサービスの提供を通じ、社会に貢献することを事業の基本方針としています。さらに、目指すべき企業像として「グローバルな多角的食品企業」を掲げた長期ビジョンの実現に向け、一貫して事業構造の改革と収益基盤の強化、業容拡大による収益の伸長などに努めています。
2020年度においても、これまでの基本施策を踏襲し、①全事業領域におけるローコストオペレーションの推進、②事業構造・事業ポートフォリオの再構築、③グループ全体最適経営の推進、④変化への対応(食品市場、麦制度改革、TPP11、日欧EPA)、⑤CSR経営の推進の5項目に取り組んでいます。
基本施策のひとつであるローコストオペレーションの推進については、コスト競争力強化のために、これまで大型臨海工場の整備、省エネロボット化など積極的な設備投資を実施してまいりました。今年度において現在進行中の設備投資として、福岡工場でのプレミックス工場増設、ニップン冷食株式会社による伊勢崎工場での冷凍食品工場増設、NIPPN(Thailand)Co.,Ltd.での冷凍生地製造工場増設、インドネシアでのプレミックス工場新設などを取り進めています。今後もコスト削減と販売の強化を軸に、グループを挙げて成長が見込まれる分野への積極的な投資を行い、事業基盤の拡充に取り組んでまいります。
ニップンの多角化の方向性
原料素材から加工度の高い製品へ市場展開していく縦軸と、小麦で培った素材活用技術を他の素材へ展開していく横軸、この2つの軸を組み合わせながら多角化を進め、事業を拡大してまいりました。
2021年1月1日 会社名が変わりました
当社は、1896年(明治29年)に民間では日本で最初の近代的機械式製粉会社として創立され、以来124年にわたり、社会の発展とともに歩んでまいりました。製粉を基盤事業として展開しつつ、これまで、食品、中食、ヘルスケアなど、グループ会社を含めて事業の多角化を進めてきました。特に、近年は食をめぐる環境変化に対応し、グループ全体で食品事業のウエイトが高まっています。現在では、食品事業の売上高が製粉事業の2倍の規模にまで拡大いたしました。
今後、既存の食品事業以外にも成長の分野を大きく広げ、スピード感を持って名実ともに「多角的総合食品企業」を目指してまいります。このため当社は、「第二の創業」として大きく生まれ変わるという決意をこめて、このほど創立以来の会社名を変更することにいたしました。新社名には、従来からの呼称「ニップン」を用いて、皆さまから親しみをもっていただける会社として、更なる事業の拡大、発展を図ってまいります。
新宿駅南口「リンクスクエア新宿」完成
2019年8月、当社の旧本社ビル(東京都渋谷区)が三菱地所等との共同開発によって、「リンクスクエア新宿」として生まれ変わりました。同施設は、オフィス・商業施設・地域貢献施設(渋谷区等により認可保育所を開設)等からなる地上16階建ての複合ビルで、新宿・代々木・千駄ヶ谷エリアをつなぐ存在として新たな賑わいの創出に寄与してまいります。
同エリア全体における魅力向上に貢献するとともに、施設利用者と地域住民の双方に配慮した防災機能の強化にも尽力してまいります。